院長ブログ

カプセルエキスパンダー

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今日は午前が外来で午後が手術でした。
外来では手術の申し込みは白内障が2人と霰粒腫が1人(2歳女の子)でした。
今日の手術は白内障14件、眼瞼内反症1件、眼瞼下垂2人、硝子体出血の硝子体手術1件でした。

今日の白内障の手術では久しぶりに『カプセルエキスパンダー』を使用しました。水晶体を眼に固定するチン小帯が弱いと、超音波で白内障の濁りを取る操作が難しく、そのまま進めると、チン小帯が外れてしまい、水晶体が硝子体側に落下してしまうので、傷口を大きく開ける術式(水晶体全摘術ICCE)や硝子体手術へ移行しなければならなくなってしまうことがあります。ICCEや硝子体手術になってしまうと、通常の白内障手術よりずっと大きな手術になってしまうので、できれば、超音波で水晶体処理ができた方が有利なのですが、このカプセルエキスパンダーはT字型のナイロンの糸をフック状にした器具で、水晶体の表面(前嚢)を切開した後に、前嚢の縁にひっかけて水晶体を支えることで、チン小帯を補助し、超音波での手術をより可能にするためのものです。この患者さまは92歳の高齢の方で術前から水晶体がグラグラ揺れるの(水晶体振盪)が確認され、チン小帯が弱い難症例であることが明らかでしたが、カプセルエキスパンダーを使うことで、超音波で水晶体を取り除くことができました。しかし、チン小帯はあまりに弱く、水晶体の袋(水晶体嚢)を残すことができなかったので、レンズを入れることまではできずに手術は終えました。元々、進行した緑内障もあるので、眼鏡矯正で視力が改善するようであれば、改めてレンズを入れる手術(強膜内固定)を行いたいと思います。

カプセルエキスパンダーは僕が眼科医として歩み出した昭和大学藤が丘病院の谷口教授が開発したのですが、チン小帯が弱い難症例の白内障手術ではとても有効な器具だと思います。谷口教授のご専門は難症例白内障でしたが、白内障以外でも緑内障も網膜硝子体疾患も眼瞼疾患も本当に色々な手術を高いレベルでされていました。僕はまだまだ谷口教授の足元にも及ばないと思っていますが、今、色々な手術をやっていられるのは、谷口教授のご指導と、直近で谷口教授の手術を見させていただいたおかげだと思っています。僕にとって本当に大きな財産でありがたいことだと思っています。少しでも谷口教授の手術に近づけるよう、これからも頑張りたいと思います。

↑この青いのが『カプセルエキスパンダー』です!

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