院長ブログ

可哀想の基準

今日は午前が外来で午後は手術でした。手術の申し込みは、白内障1人でした。

今日の手術は、白内障9件、眼内レンズ挿入1件、眼内レンズ交換1件、霰粒腫2人(4歳男の子、5歳男の子)、眼瞼腫瘍1人でした。

僕のクリニックでは子どもの霰粒腫の切開がとても多いです。

絶対はありませんが、それでも切開した方がきれいに治ると思った霰粒腫はきちんと治ってくれることが多いですし、他のクリニックで放置されて、かなり悪化してしまったり、ひどい痕が残っている子を見ると、正直、可哀想だと思ってしまいます。

ですので、切開してあげた方がよいと思う霰粒腫については、『切開してあげた方がよいです』と伝えます。

でも、お父さまお母さまからすると、小さなお子さんに切開の処置を受けさせることは『可哀想』と言われることもあります。そう感じる心情も当然だと思います。

今日の霰粒腫の4歳の子は以前に一度、霰粒腫ができ、切開を予定したのですが、ちょっと引いてきたので、一旦、キャンセルしたところ、またひどくなってきてしまったため、改めて切開することになりました。

今日の切開を予定した後も、お母さまから『やはり切開は見送ろうか』と相談もされたのですが、『このままでは跡も残ってしまいますし、可哀想です』と僕は思っていることを伝えました。その時にお母さまから言われたのが、『私たちが子どものことを真剣に考えてのことなので、切開しないで跡が残ってしまっても可哀想ではないです』ということでした。

確かにその通りだと思いました。親がその子のためを思って決めたことに第三者の僕が何か言う権利もないですし、可哀想かどうかを判断する立場でもないと思います。医師は病気の状態だけみて、手術すべきかどうかを判断すればよいのかもしれません。ただ、本来は余計なことかもしれませんが、僕はその病気を治療する必要がその患者さまにとってどれだけの意味があるかは常に考えて、伝えたいと思っています。同じ病気でも患者さま一人一人で治療の必要性、治療の意味は違ってくると思うからです。

治療はその時には負担になったり、辛かったりするかもしれません。でも、病気を治してよくすためには頑張ることが必要な時もあります。余計なことでしたら申し訳ないですし、聞き流していただければと思いますが、自分の思いも伝えた診療をしていきたいと思っています。

切開を迷っていたお子さんは結局、左眼の上下2つの霰粒腫の切開を行いましたが、『切開するのは可哀想だったけれど、切開してよかった』とお父さまもお母さまも、そして本人も思ってくれるといいなと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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