院長ブログ

グラバー鑷子

今日は午前のみの外来でした。手術の申し込みは、霰粒腫1人(50歳女性)でした。

昨日の眼内レンズ交換はレンズを切らずに取り出しました。

レンズの光学部(光が通る丸いレンズの部分)は直径6mmですが(5.5mm7mmのレンズもありますが)、眼に作る切開が大きくなってしまうと、その切開により乱視(惹起乱視)が強く出てしまうため、なるべく小さな創口の方が望ましく、僕は2.5mmほどの切開でレンズ交換を行なっています。レンズを入れる時はインジェクターというレンズを折り畳んで入れる器具があるので、この大きさの創口からレンズを入れることができますが、レンズを抜き取る時は、創口よりずっと大きなレンズをそのまま出すことはできず、レンズを半分に切って取り出していましたいましたというのは、最近、切らずに取り出すことが可能な鑷子(グラバー鑷子)が開発されたので、昨日の手術から導入し、そのままレンズを取り出すことができました。切る手間が省けるので、以前より短時間でより安全にレンズ交換ができるようになったと思います。患者さまからも手術が終わった時に『えっ、もう終わったのですか?』と驚かれるくらいでした。一つ、気になるところは、若干思ったより乱視が出てしまったので、このあたりはしっかり評価しなければと思います。

ちなみに、今日の診察では『ゴッドハンドですね』とおっしゃっていただきましたが、眼内レンズ交換はとても難しいので、この手術をする眼科医はそうですよ!、、、なんてことは全くなく、普通の手術をしているだけだと思っています。多分、レンズ交換はしたがらない先生が多いので、単に、引き受けるかどうかの問題だと思います。レンズ交換をすべきかどうかは議論のあるところですが、患者さまが困っていて、レンズを入れ換えることで改善が望め、患者さま自身がそのメリットとデメリットをよくご理解いただいたうえでご希望されれば、すべきだと個人的には思っています。昨日のレンズ交換の方もわざわざ遠方から来てくださったので、ひとまず経過もよさそうでよかったです。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

↑IOL把持鑷子20G Lens Grabber(イナミ)

↑鑷子の先が工夫されていてレンズをしっかり掴めるようになっています。

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