院長ブログ

術後2年の入れ換え

今日は午前が外来で午後は手術で白内障11人、眼瞼下垂2人、霰粒腫3人(2歳女の子、3歳男の子、6歳男の子)、眼内レンズ交換1人でした。

今日の眼内レンズ交換は49歳の女性で21ヶ月前に他院で単焦点レンズの白内障手術を受け、ピントを近方に合わせたものの、遠方が見えにくくて不便ということで、少し離した距離にピントを合わせ直すレンズへの入れ換えを行いました。

眼内レンズ交換を考えている患者さまから『レンズを交換するタイムリミットはいつですか?』と聞かれることがよくあります。白内障の手術から時間が経つと、レンズとレンズが入っている袋(水晶体嚢)の癒着が強くなってしまい、レンズの取り出しが難しくなってしまうことがあります。しかし、そのタイムリミットが例えば、1ヶ月以内とか1年以内とか、いつまでというのは基本的にないと僕は思っています。

もちろん、早い方が手術をしやすい面もありますが、大幅な度数のズレなど明らかに待っても改善の見込みがないような場合以外は、術後の経過で改善の可能性が多少でも期待できる場合もあり、なかなかすぐの入れ換えの判断は難しいかと思います。多焦点レンズのハローグレアやコントラスト感度の低下や単焦点のピントの位置の不具合も徐々に慣れて気にならなくなることもありますし、すぐに入れ換えるのではなく、術後の経過を見ながら、入れ換えが必要か、どんなレンズに入れ換えるべきかを見極めることが大切だと思います。そのため、僕は術後すぐに入れ換えをすることはほとんどなく、3ヶ月以降に入れ換えを行うことがほとんどです。今のところは、この方法でレンズの取り出し自体は全ての手術でできているので、もし、術後の見え方の不具合でご不安な方は、すぐに入れ換えないといけないと焦らないでお過ごしいただきながら、入れ換えをした方がよいかどうかをきちんと判断することが重要だと思います。

今回の患者さまも考えに考えて術後約2年経って、入れ換えることにした訳ですが、それだけしっかり考えて出した結論なので、納得した治療となったのではと思います。手術も無事終わりましたが、あとはきちんと目標の見え方になってくれるといいなと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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