院長ブログ

後嚢破損しても

今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が2人(4歳女の子、5歳女の子)でした。

手術の申し込みは、白内障2人と眼瞼下垂1人でした。

先週水曜日の手術で後嚢破損してしまった患者さまは、その後、眼圧が高い状態が続いていたのですが、ようやく20台まで下がり、視力も1.0まで改善し、『もう片方の眼よりもよく見えるようになってきた』そうでよかったです。

後嚢破損が起こって問題になるのは、嚢外固定になってしまった時に、使えるレンズの種類が限られ、多焦点レンズやトーリックレンズ(乱視矯正レンズ)が使えないことと、白内障の濁りが硝子体側に落下すると飛蚊症が出てきてしまうことです。もちろん、手術時間が長くなると眼への侵襲が強くなり、状態が落ち着くまで時間を要し、視力の改善に時間がかかることもありますが、きちんとレンズが入れば、基本的には矯正視力としては通常の手術同様の改善が望めます。

白内障の濁りの落下による飛蚊症も小さなものは数ヶ月の経過で自然改善も十分ありますが、大きなものは中々、飛蚊症状が取れないだけでなく、炎症の原因になることもあり、硝子体手術で取り除かねばならないこともあります。

また、硝子体の牽引により網膜剥離を発生することもあり、術後の眼底チェックも注意が必要です。

この患者さまは術後の眼圧上昇で頻繁に通院いただくことになってしまい、ご迷惑をかけてしまったにもかかわらず、お礼にとケーキの差し入れをいただいてしまいました。かえって申し訳ないですが、お気持ちも治療へのご理解もありがたく思っています。どうもありがとうございます。

視力は改善したものの、飛蚊症の自覚が強いため、経過によっては硝子体手術を考えなければと思っていますが、しっかり対応させていただきます。

手術の経過は人それぞれで、順調な場合も、そうでない場合もどうしてもあるかと思います。他の方と違ったり、予定通りでない経過だと不安に感じるのはもっともだと思います。その状況や理由は可能な限り説明しているつもりですが、それでご理解いただけることは、とてもありがたいことだと思っています。何かあってもできる限りの対応はしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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