院長ブログ

視力0.05でも

今日は一日外来でした。手術の申し込みは、白内障1人、眼瞼下垂3人、霰粒腫1人(50代男性歳)でした。

先週、強膜内固定の手術をした70歳の女性の経過観察の受診がありました。この方は網膜色素変性で右眼は光が分かるかどうか、左眼は0.03程度の視力で、両眼とも白内障の手術は済んでいますが、左眼のレンズがズレてしまい、瞳孔に引っ掛かる状態で、少し前に、押し戻せればと処置をしたものの、うまく戻らず、先週、このレンズを取り出し、新たなレンズを眼の壁に固定する手術をさせていただきました。

網膜が変性してしまっているので、レンズをきれいに整えても、大幅な視力の改善は望めないと思われましたが、以前はもう少し見えていたことと、まだ70歳とお若く、これからのことを考えると、今、レンズをきちんと入れておいた方が将来的にもプラスになるのではないかと思いました。もちろん、手術しても変わらない可能性もありましたし、手術の侵襲により視力が悪くなる可能性もありました。手術しても変わらないことや悪くなることはリスクではありますが、何もせずに見えにくい状態で過ごすこともリスクですし、タイミングを逃すと手術が難しくなってしまうリスクもあります。どちらにしてもリスクはある訳ですが、どちらの方がご本人にとってよいことなのかを考えて、治療法や治療をするかどうかを提案したいと思っています。

視力が低いと手術したらもっと悪くなってしまうのではないかという心配もあったと思いますが、勇気を出して手術を受けてくださり、術後の視力は0.05でも、『前より見えるようになった』と感じてくださり、手術して本当によかったと思います。どうもありがとうございました。

それから、今日は2か月ほど前に眼内レンズの入れ換えの手術を受けてくださった患者さまが、手作りのパンを作って持ってきてくださいました(スタッフの分も、たくさん!)。お家でパン教室をしているほどで、優しい甘さのとってもおいしいパンでした。またもう方方の眼の手術も控えていますが、これからもパン作りができるように、僕も手術、頑張ろうと思います。パン、ごちそうさまでした。ありがとうございましたm(_ _)m

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