院長ブログ

PMMAのレンズ摘出

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人、眼瞼下垂1人、霰粒腫1人(4歳男の子)でした。
今日の手術は、白内障11件、眼瞼下垂2人、眼内レンズ偏位の硝子体手術(強膜内固定)1件でした。

眼内レンズ偏位の患者さまは、20年ほど前に眼内レンズ縫着術というレンズの支えを眼の壁に縫い付ける手術を受けていましたが、2つあるレンズの支えのうち、片方の支えの縫合が取れてしまいました。10日くらい前から『見え方が不安定でいい時はいいけれど、ぼやけてしまう』という症状が現れましたが、もう片方の糸はしっかり残ってくれていて、レンズは眼の奥に落ちず留まってくれていましたので、その点は手術がしやすくてよかったです。しかし、この方のレンズは、ボシュロム製のP366UVという縫着専用のレンズが使われていましたが、このレンズはPMMAという硬いプラスティックでできていて、光が通る光学部の直径は6.5mmと大きめで、今、主に使われている眼内レンズはアクリルかシリコンの柔らかいレンズで切ることができるので、2.5mmくらいの切開創から取り出していますが、PMMAのレンズは切ることができないので、6mmほどの切開を作って取り出す必要があり、ちょっとだけ厄介でした。6mmの切開といっても、表面を切開するのは3mmほどで、残りの3mmは強膜(眼の壁)の中にトンネルを作り、トンネルの中で更に3mm眼の中に切開を入れ、トータルで6mmの切開創を作る“L字切開という方法でレンズを取り出しました。単純に6mm切開するよりはキズの閉じもよく、切開による乱視も少なくよい方法だと思います。無事、レンズを取り出し、新しいレンズもきれいに入れることができてよかったです。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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