院長ブログ

ICL後の無菌性眼内炎?

今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が3人(5歳女の子、6歳女の子、54歳男性)でした。
手術の申し込みは、白内障4人、眼瞼下垂2人、霰粒腫3人(5歳女の子、6歳女の子、7歳女の子)でした。

金曜日にICLの手術を受けていただいた男性から『今朝起きたら全然見えなくなっていた』と連絡を受け、急遽受診いただきました。術翌日の土曜日には、視力も1.2まで出ていて、レンズもきれいに入っていて、全く問題ありませんでしたが、今日は眼の中に炎症が強く、レンズの表面や角膜の裏側に炎症細胞が沈着し膜を作ってしまっているような状況で視力は手動弁(目の前で手の動きが分かる程度の見え方)でした。

痛みは全くなく、充血もほとんどなく、症状からすると、感染症による炎症は考えにくく、無菌性の眼内炎( TASSという状態が考えられましたが、所見としては細菌による感染の可能性もなくはなかったので、急いで、眼の中を抗菌薬で洗う処置(前房洗浄)と抗菌薬を眼に注射する治療(硝子体注射)を行わせていただきました。TASSは手術の際に、眼の中に入る薬剤やレンズの不純物などに対して炎症反応が起こってしまう状態で、ステロイド治療によく反応し、視力予後は比較的良好とされているので、大丈夫と思いますが、引き続き、厳重に経過を見て、必要に応じて治療を行っていきたいと思います。このような不足の状況が起こった時は、とにかく早めに来院いただくことが大事ですし、見え方が悪くなってしまって不安な気持ちが強いと思いますが、この患者さまのように、冷静にお話を聞いて、治療や診察にご協力いただけるととてもありがたく、助かります。

今日はこの患者さまの洗浄の治療を優先させていただいてしまったので、他の患者さまにいつもより待ち時間が発生してしまい、申し訳ありませんでした(特に、6歳の霰粒腫の女の子は富山県からで帰りがギリギリになってしまってすみませんでいた、、、)。患者さまにはいつもご理解いただき、とてもありがたいことだと思っています。本当にどうもありがとうございます。

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