院長ブログ

レンズ交換の難易度は

今日は午前のみの外来でした。
手術の申し込みは、霰粒腫1人(2歳女の子)でした。

昨日の手術では、眼内レンズの交換が1件ありました。約2か月前に他院で単焦点レンズを近方に合わせる白内障手術を受けたものの、ちょっと思い違いをしていて、結果的に見え方を不便と感じてしまい、お家の中で過ごしやすい少し離れた位置が見えるようなレンズに換えたいという希望で手術をさせていただきました。

術後翌日の今日の診察では、狙い通りの-0.5Dの近視で視力は矯正して1.0で裸眼では遠方0.8 中間70cm 1.0 近方30cm 0.5とご本人も『希望通りの見え方になりました』と喜んでくださいました。眼内レンズの入れ換え手術では、状態によっては結構、大変な手術になり、眼の状態が落ち着くまで時間がかかってしまうこともあります。しかし、この患者さまでは手術も6分程度で終わり、かなり少ない侵襲の手術ができたことが、順調な経過につながっています。

眼内レンズ交換の手術の難易度は眼の状態によって大きく異なりますが、その要因はレンズと水晶体嚢の癒着の程度と水晶体嚢やチン小帯の状態によって左右されると思っています。癒着は初回手術からの期間や眼の性質、使っているレンズの種類などが関わり、チン小帯の状態も患者さまの眼の強さによるところが大きいですが、両方に影響する要因としては、初回の手術がどのような手術だったかも多かれ少なかれ、影響があると思っています。もちろん、最初の手術もきちんとしてくださる先生がほとんどですが、一生懸命したとしても手術というものは必ずうまくいくものではないところが難しいところで、入れ換えしにくい眼の状態の方もいらっしゃり、入れ換え手術で苦労することもなくはないです。しかし、この患者さまの眼の状態は、レンズと水晶体嚢の癒着もごく軽度で、水晶体の切開部(CCC)も大きくきれいな円形で、眼の縁の切開部分も分からないくらいで、とても丁寧なきれいな手術をしてくださったのだと想像できます。レンズ交換の手術は結構、大変と思っている患者さまも多いので、スムーズに終わると、『こんなに短い時間で終わらせてくださり、ありがとうございます』とおしゃってくださることもありますが、正直、僕の力という訳ではなく、感謝するなら、白内障の手術をきれいにしてくださった前の先生に感謝してくださいと伝えていますし、もちろん僕も感謝しています。ちなみに、レンズの入れ換えをする時は、レンズの度数を決める参考にするために、前に手術を受けた施設にお願いして、データの提供をいただいております。前の先生にはお手数をかけてしまって、申し訳ないのですが、やはりそのデータがある方がより精度の高い治療ができると思い、お願いしています。手術前の検査までに快く詳しいデータを送ってくださる先生がほとんどで、このことについても本当にありがたいことだと思っています。どうもありがとうございます。

ちなみに、僕はもし自分の患者さまがレンズの入れ換えになった時に、手術しにくいとイヤだなと思うのと他の先生に再手術をお願いすることになってもなるべく面倒をかけないで済むようにという気持ちで、なるべくきれいな眼にして終えようと思って手術しています。

ということで、眼内レンズ交換の手術がスムーズに終わった時は、前に白内障の手術をしてくださった先生に感謝していただけるとありがたいと思います。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

TOPへ