院長ブログ

狭隅角の治療をどうするか

今日は一日外来でした。

手術の申し込みは、白内障3人、眼瞼下垂3人、霰粒腫3人(4歳男の子、17歳女の子、43歳男性)でした。

ちょっと前にもありましたが、今日も『急性緑内障発作が起こるから白内障手術をした方がよいと言われたけれど迷っている』と70歳の女性の方が相談にいらっしゃいました。

この患者さまのように隅角の狭い狭隅角眼の人が、急性緑内障発作の予防をするならば、虹彩にレーザーで穴を開ける虹彩切開術(LIか、水晶体を取り除き、薄い眼内レンズに換えてあげる白内障手術のどちらかを行うようになります。

LIは外来で簡単にできる治療である反面、角膜の細胞を減らしてしまうリスクや完全に発作を防げない可能性、チン小帯を痛めることもあり将来的に白内障手術をする場合に手術がしにくくなってしまう可能性などがマイナス面であります。

一方、白内障手術を行えば、ほぼ完全に緑内障発作を防ぐことはできますし、狭隅角眼の人は遠視の眼のことが多く、老眼が進んで遠方も近方も裸眼では見えにくくなっている人には見え方を改善できるメリットもあります。

50歳前後の若い人で、隅角がかなり狭く発作のリスクが高いけれど、見え方も悪くなく白内障手術はどうしても抵抗がある場合は、LIも選択肢になるかもしれませんが、LIをしてもいずれ白内障手術をすることがほとんどで、二度手間になってしまうため、基本的に治療をするなら、白内障手術がファーストチョイスになるかと考えています(そのため、開業以来、LIは一度もしていません、、、)。あとは、どの程度、発作を起こすリスクがありそうか、白内障の手術で見え方を改善できるかを考えて、手術を行うかどうかを決めたらよいと思います。もちろん、治療はせずに経過観察を行い、変化があれば治療を考えるという選択肢もあり、今回の患者さまも経過観察の方針となりました。狭隅角の治療をどうするは、なかなか、どれが正解というのもないかもしれませんが、ご自分の眼の状態を少しでもご理解いただき、適切な選択ができるようにしたいと思っています。

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