院長ブログ

40代でのICL

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人、眼瞼下垂1人、黄斑上膜の硝子体手術1人、ICL1人でした。今日の手術は、白内障15件と眼瞼下垂1人でした。

今日、ICLの手術の申し込みいただいたのは43歳の女性の方でした。ICLやレーシックなどの近視矯正手術は、40代以降ではいくつか注意点があり、2030代の人よりはしにくい部分があります。

一つは、老眼の問題です。40代半ばくらいからピントを合わせにくくなる老眼の症状が出始めます。若いうちに近視矯正手術をすれば、遠方も近方も楽に見ることができる期間が長いのですが、40歳くらいで近視を治すと、直後は遠近共によく見ることができますが、数年すると、近くが見えにくいと感じるようになり、老眼鏡が必要になってきますので、遠くも近くも裸眼で見える期間はちょっと短めになってしまいます。

もう一つは白内障の問題です。更に510年すると、白内障の影響が出るようになり(厳密に言えば老眼も白内障の影響ですが)、眼の度数の変化で裸眼の見え方が悪くなってしまったり、更に白内障が進行すると手術が必要になりますが、その時はICLのレンズは取り出さないとなりません。

このように40代以降では、少しすると老眼の影響で遠方も近方もよく見える期間が短めであることと、そう遠くない将来の白内障の手術の時にレンズの取り出しの一手間がかかることは理解する必要があります。

というような説明をさせていただきましたが、今日の患者さまは、もう既に十分ご存知で、『小さい子どもがいて世話をするのに裸眼だと不自由だから、子どもが小さいうちの数年でもよく見えたらいい』というお気持ちでしたので、それなら手術した方がよいと僕も思いました。それなりに高額な手術費用をかけて近視を治すことと、その見え方がどれくらいの期間持続できるか、また手術のリスク、こういったことを総合的に判断して、手術したいという気持ちが強ければ、ICL手術はよい治療になると思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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