院長ブログ

眼窩内腫瘍摘出手術

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人、今日の手術は、眼瞼下垂2人、眼窩内腫瘍摘出1件、霰粒腫6人(2歳女の子2人、3歳男の子、3歳女の子、4歳女の子、22歳女性)でした。

今日は祝日前のため、内眼手術はなく、外眼部の手術のみとなりましたが、今日の手術の最後の方は、60代の女性で、3年前から左の上まぶたにしこりがあり、1年前に他院で眼瞼下垂の手術を受けた後もしこりが残っているので、取って欲しいと希望され、その摘出手術となりました。

術前に眼窩のMRI検査を他院で行っていただき、腫瘤は2.5cm大と結構大きいものの、悪性所見はなさそうで、二重の線からの切開でまぶたの奥に入り、単純に摘出する予定で手術を予定しました。組織はやや柔らかく、涙腺に類似していたので、異所性涙腺かなと思いながら摘出し、あとは皮膚を塗って終えようと思いましたが、念のため、まぶたの挙がり方を確認すると、まぶたがあまり開かず、眼瞼下垂の状態になっていました。術前に『眼瞼下垂は大丈夫ですか?』という質問を受け、『まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)は触らないので大丈夫です』と答えていましたが、予期せぬ状況になってしまい、このまま終える訳にもいかず、眼瞼下垂の処置も追加で行いました。眼瞼挙筋を縫い縮め、なんとか少し挙がるようになったものの、術前ほどのまぶたの挙がり方には戻せませんでしたが、手術時間も1時間半ほどかかってしまい、なかなか正確な評価も難しくなってしまったので、手術を終えることとしました。今回の手術で腫瘍はしっかり取れましたが、結果的に眼瞼下垂が残ってしまうと思うので、また術後の状態を見ながら、再度の治療方針を検討していきたいと思います。追加の手術が必要になってしまう可能性が高く、申し訳ないですが、少しでも状態を戻せるように考えていきますので、よろしくお願いいたします。

手術の前には色々なことを想定して、患者さまへ説明を行い、方針を決めますが、今回のように予期せぬことが起こることがどうしてもあるのが、手術かと思っています。なので、思ったよりも時間がかかってしまうことや、思ったような経過にならないこともありますが、僕らはできる限りのことはしたいと思いますので、手術を受ける際には、ご理解いただけますようよろしくお願いいたします。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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