院長ブログ

発掘プログラム2023

勤労感謝で祝日の今日は府中市の武蔵の森スポーツプラザへ行ってきました。といっても、僕自身が運動する訳ではなく、“東京都パラスポーツ次世代選手発掘プログラム”というパラスポーツの選手を探し出すイベントの視覚障害の相談医の仕事を担当させていただきました。

小学生〜大人(60代の方もいらっしゃいました)まで、視覚障害の方だけでなく、手足が不自由な肢体不自由の方や知的障害の方など、約120名が参加され、午前はボール投げや30m走、幅跳び・垂直跳びなどの体力測定を行い、午後は挑戦した競技の団体に話を聞いたり、僕ら医師に自分の障害の程度が選手に該当するのか、どんな競技が向いているのかを相談するような時間となっていました。

障害のある人はなかなか運動をしにくい状況があると思いますし、本人やご家族も『スポーツなんて』と思っている人も多いのではないかと思います。パラリンピックなんかに出る人は、元々、スポーツが得意な一部の特別な人だと想像する方も多いのではと思います。実は僕も少し前まではそう思っていました。でも、実際はそんなことはなく、障害のある人にとって、スポーツはとても身近で、誰でもできることで、スポーツをすることでたくさんよいことがあるということを知りました。

もちろん、全ての種目を誰もができる訳ではないですし、健常者とは違うルールで行う必要もありますが(同じルールの種目もあります)、自分の障害や運動能力に合う種目を行うことは可能です。全く目の見えない人が、街中で全力で走ったり跳んだりは難しいでしょうが、スポーツの場面でなら、そんなことも十分できます。プールで泳ぐことも、サッカーをすることも、雪山でスキーで滑ることなんかもできます。もちろん、いきなりできる訳ではなく、トレーニングや努力があってこそでしょうし、ガイド者のサポートが必要だったりしますが、全く目が見えないのに『本当は見えているんじゃないか?』と思うような人もたくさんいらっしゃいます。競技を目指すアスリートから趣味としてスポーツをする人もいると思いますが、スポーツをすることで

普段の生活にもプラスに働く効果もあると思いますし、何より気持ちの面でとても前向きな人が多いような気がします。

目の見えない人、特に中途で失明してしまって受け入れもできないような人に、いきなり、『スポーツしませんか?』と勧める訳ではありませんが、『自分にはスポーツなんてできない』なんて思い込んでいる方には、パラスポーツの世界も少しでも知ってもらい、少しだけ勇気を出して、試してみる、やってみるとよいのではと思います。

という僕もパラスポーツの分野には関わり出したばかりで、僕こそ勇気を出して一歩踏み出した状態ですが、医師として患者さまに対してのアドバイスの幅が少し拡がったかなというのと、自分自身についても、何ができない、何が足りないと考えるより、今あるもので精一杯やればいいじゃないかと思えるように、なんとなく前向きに考えられるようになった気がします。

ちょっと話が逸れたかもしれませんが、パラスポーツは特別な世界ではなく、健常者にとってスポーツが身近なものであると同様、障害者にとってもスポーツは決してハードルが高いものではないということを知ってもらえるとうれしいなと思います。

↑肢体不自由(体の障害)を担当された東京保健医療専門職大学の杉山先生と。

 

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