院長ブログ

白内障術後のダブり 

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人と眼瞼下垂1人でした。

今日の外来では、他院で白内障の手術を受けた後、『モノが二重に見えるようになってしまった』と80代の男性の方がいらっしゃいました。

モノが二重に見える、ダブって見える症状は“複視”と呼ばれますが、片眼だけで見てもダブる“単眼複視”と片眼で見ると大丈夫だけれど、両眼で見るとダブってしまう“両眼複視”があります。単眼複視の場合は、その眼に原因があり、乱視によるものがほとんどです。一方、両眼複視の場合、左右それぞれの見え方には問題がなくとも、眼の位置や眼の動きの左右差である、斜視や眼球運動障害が原因となります。

この患者さまの場合、乱視も若干残っていましたが、『片眼で見ると気にならない』そうで、パッと見でははっきりしない程度ですが、検査をすると、左右の眼の上下方向のズレ(上下斜視)があり、斜視を補正するプリズム眼鏡を試し掛けすると、『ダブりがよくなる』そうで、斜視が原因と思われました。

白内障の手術で斜視が出るものではなく、おそらく、元から斜視は存在していたのでしょうが、白内障が強いと斜視の自覚がなく、手術で白内障が取れ、眼自体の見え方がよくなると、かえって斜視の症状が出てしまうケースも時々あるように感じます。白内障の手術をしてダブりが出てしまうなら、白内障の手術はしなければよかったなんて思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、白内障も放っておけば、見え方に支障を来たしてしまいますので、手術を受けることは妥当で必要なことだったと思いますし、大事なのは、原因をきちんと見極め、眼鏡でも手術でもしっかり対応していくことだと思います。ちなみに、この患者さまは前の病院から、『眼内レンズの入れ換えも検討していただければ』というような紹介状をいただきましたが、残余乱視に対しては、レンズの入れ換えを考える余地はあるものの、症状の主な原因である斜視に対しては、レンズの入れ換えは全く必要のないことで、白内障の手術自体はとてもきれいに問題なく行われていましたので、患者さまにもそう説明させていただきました。

今日の外来もお疲れ様でしたm(_ _)m

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