院長ブログ

霰粒腫の切開方法

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、眼瞼下垂1人、霰粒腫1人(43歳男性)でした。
今日の手術は、眼瞼下垂2人と霰粒腫6人(2歳女の子、3歳女の子、23歳女性、27歳女性、43歳男性、44歳男性)でした。

霰粒腫の切開は、表側(皮膚側)から行う場合と、裏側(結膜側)から行う場合がありますが、今日の霰粒腫の切開の20代の女性の方は、あまり目立たない小さな霰粒腫で、結膜側から切開がよいとお話していましたが、ご本人はどちら側から切開するか最後まで悩まれていました。

切開の方法については、どちらがよいとかよくないというものではなく、霰粒腫のでき方により、どちらの切開が向いているか、より治しやすいかで切開方法は判断しています。

結膜側からの切開は皮膚にキズを作らなくてよいというメリットはありますが、皮膚の表面に赤くしこりができてしまっている霰粒腫を結膜側から切開すると、霰粒腫が取りきれなかったり、悪くなった皮膚が残存して跡が残ってしまうこともあり、きちんと皮膚側から切開してあげることが必要かと思います。逆に、皮膚面の赤みが全くなく、まぶたを触ると、コリっとしたしこりを触れるような霰粒腫は、瞼板の中にとどまることが多く、結膜側からの切開で十分治癒が望めるかと思っています。ただ、再発してしまった場合は、皮膚面から切開し、瞼板の前面も一緒に切除した方が治りやすいように感じています。

霰粒腫の切開は、なるべく皮膚は切らないで治したいとお思いの方が多いのではと思いますが、きちんと治すには適切な切開方法を選択することがまず大事ですし、中途半端な切開をすると、せっかく切開したのに、治らなかったり、ほとんど変わらないなんてことにもなりかねません。もちろん、希望を言っていただくことは大切ですし、患者さまのご希望はなるべく叶えたいと思っていますが、切開方法についてのご理解をいただけると、よりよい治療ができると思いますので、よろしくお願いいたしますm(_ _)m

ちなみに、今日、霰粒腫切開させていただいた43歳の男性の方は、僕が昭和大学の眼科に入局した時の同期の先生の友人の皮膚科の先生でした(同期からとても優秀な先生だと聞いています!)。昭和大学旗の台時代に何度か見かけていたのですが、あれから15年経ちますが、霰粒腫の切開をさせていただくとは不思議な縁を感じました。お疲れ様でしたm(_ _)m

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