院長ブログ

ND+見えにくさ

今日は一日外来でした。

手術の申し込みは、白内障4人、霰粒腫5人(10歳女の子2人、21歳女性、23歳女性、32歳男性、43歳女性)、黄斑上膜の硝子体手術1人、眼内レンズ交換2人でした。

今日、外来のいらっしゃった白内障術後の相談の50代前半の女性の方は、他院で今年の9月に右眼の白内障の手術を受け、単焦点レンズで左眼に度数を合わせたそうですが、『右側に影が見える』『どこにもピントが合ってないような気がする』『乱視が残っている』ということが気になって受診されたそうです。

外側に影が見るような見え方は、Negative dysphotopsia(ND)の症状と思われ、術後の経過で自然によくなることもありますし、もし積極的によくするならば、径の大きな7mmレンズに換えるかですが、ピントが合わないような見えにくさは、おそらく乱視が残っていることが原因で、これを改善するには乱視矯正のトーリックレンズを使う必要がありますが、7mmレンズにはトーリックタイプがないため、もしレンズの入れ換えを行う場合には、NDの改善か、見え方の改善かどちらかを優先しなければなりません。今回、患者さんは見え方を改善したいということで、トーリックレンズへの入れ換えを予定させていただきました。ただ、若干、水晶体の支えが弱そうな所見や癒着が強めな印象もあり、入れ換えが難しい可能性もあり、乱視の改善には必ずしも入れ換えが唯一の治療方法でもないので、実際の手術で入れ換えが難しそうな場合は、無理をせず撤退して、改めて他の治療を考えましょうとお話しさせていただきました。

ちなみに、現時点で乱視は残っており、だったら最初からトーリックレンズを使うべきだったのでは?という考えもあるかもしれませんが、乱視はなかなか難しく、術前に角膜乱視があまりなくとも、手術の切開などで術後に乱視が増えてしまうこともあるため、今、乱視があるから最初の手術の時にトーリックを使うべきだったかはなんとも言えないところがあります。

いずれにせよ、少しでも見え方が改善できるように頑張りたいと思います。

TOPへ