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BBG

今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは、白内障5人と霰粒腫5人(3歳男の子、3歳女の子2人、6歳女の子、56歳女性)でした。

昨日、手術を受けていただいた31歳の男性の方は、白内障が真っ白に濁る“成熟白内障(mature cat)”という状態でした。“白”内障といっても水晶体の濁りが強くなると、黄色や茶色に硬く濁るようになることが多いのですが、水晶体が乳化すると真っ白になり、まさに”白“内障という状態になります。この成熟白内障は若干、手術が難しくなるのですが、その理由は真っ白に濁ると、水晶体の表面(前嚢)を丸く切り抜く連続円形前嚢切開(CCC)という操作を行う際に、水晶体の内部が膨張するのでCCCのきっかけを作る時に一気に切れ目が端の方まで亀裂が入ってしまうことがあることと、真っ白けだと眼底からの顕微鏡の光の反射が得られないため、前嚢の切開部(切開線)が見えにくくなることがあります。

きっかけを作る際の圧の問題は、成熟白内障では水晶体が液状に濁るので、針を刺した直後に濁りを吸引することで内圧を下げることが、亀裂を作らないようにするための対策になります。

前嚢が見えにくいことに対しては、BBG(ブリリアント・ブルーG)という青い薬剤を使うことで、前嚢を青く染めて見やすくすることができます。前嚢を青く染めてしまうと、残った部分の前嚢が青いままになってしまうのではという心配があるかもしれませんが、染色は一時的なので、翌日には透明になってしまうことが多く、通常は問題ありません。ただ、“通常は”というのは、残った前嚢は最初青くても翌日には透明になっていますが、以前、学会で、BBGを使って前嚢染色をしたらレンズが青く染まってしまったという報告を聞いたことがあるので、僕自身は全く経験がありませんが、人によってはそんなこともあり、注意が必要かと思います。

ちなみに、この31歳の患者さんは白内障もしっかり取り除け、レンズもきれいにおさまっており、視力も術前の手動弁から術後は裸眼0.9 矯正1.2まで改善し、前嚢やレンズも透明できれいでよかったです。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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