院長ブログ

次世代発掘プログラム

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1123日の祝日に、新木場のBumbというスポーツ施設で『東京都パラスポーツ次世代発掘プログラム』という障害者スポーツのイベントがあり、視覚障害の担当で参加しました。

このイベントがどのようなものかというと、パラリンピックなどの障害者スポーツの大会に向け、各競技団体がアスリート(選手)をみつけるために、参加者にそれぞれの競技を体験してもらったり、自分の障害がどのような競技に向いているのか、大会への参加資格があるかなどの相談をする企画で、僕は『視覚障害の専門家』という立場でしたが、実は僕はこのような障害者スポーツのイベントへは初めての参加で、専門家どころか僕自身も相談会に参加しているような感じでした、、、

開業前の2018年の冬に障害者スポーツ医の講習に参加し、その資格を取ったのですが、『障害者スポーツのことで何かしたい』と思いながらも、分からないことだらけでなかなか、というか全く何もできていない状況でした。
そんな中、この夏のオリパラの選手村の診療ボランティアで障害者スポーツで精力的に活動されている久留米大学の辻先生とご一緒した際に、今回の発掘プロラムへの参加を勧められ、『えっ、僕なんて何もできませんよ!』と言ったのですが、『大丈夫!』と背中を押され、思い切って参加することにしました。その後は、視覚障害の分野のリーダー的な存在の国立リハビリテーションセンター(国リハ)の清水先生に色々教えていただき、当日は新渡戸記念中野総合病院の山下先生と清水病院の水村先生もサポート役で参加してくださり、全面的に助けていただきました。(どうもありがとうございましたm(_ _)m

↑選手村のボランティアでご一緒した辻先生(右端)

障害はもちろん、視覚障害だけでなく、手脚の障害である肢体不自由の方や知的障害の方も参加され、年齢も小学生から40代までと幅広く、障害を抱えながらも何かスポーツに競技として取り組みたいという方が約100名参加されました。
障害者スポーツというと、ブラインドサッカーとか車いすバスケとか陸上競技、水泳などが思い浮かぶかもしれませんが、パラリンピックの種目だけでも、夏(2020東京)では、柔道、卓球、シッティングバレーボール、テコンドー、バドミントン、アーチェリー、カヌー、ボート、馬術、自転車、トライアスロン、パワーリフティング、ボッチャ、ゴールボール、、射撃、車いすテニス、車いすラグビー、車いすフェンシング、冬(2022北京)ではアイスホッケー、スキー(アルペン・クロスカントリー)、スノボード、バイアスロン、車いすカーリングがあります。
パラリンピック種目以外でも、ボーリングやクライミング、セーリング(ヨット)などもあります。(思った以上に種目があってびっくりするのではと思います)

今回、僕に求められた役割は視覚障害の程度で大会への参加資格が得られるかどうかをある程度見通しを立てること(視力などの検査機器は全くなし)と、どのような種目が向いているかのアドバイスをすることでしたが、実際の相談は2名だけでした。
正直、実際にどのように競技を行うかも分からない種目ばかりでしたので、空き時間には各競技団体の方からたくさん話しを聞いて回り、実際にスキーやボーリングの選手の方とも話せたのはとても勉強になりました。

僕がお話を聞いたスキーの元選手の女性は網膜色素変性という病気ほとんど見えないそうですが、ブラインドスキーは健常者のガイドが先行し、音で誘導し、選手はそれを頼りに滑るそうです。この方はクロスカントリーの選手だったので、アルペンとクロスカントリーはどう選んだのですか?と聞いたら、アルペンは危ないからクロスカントリーにしたそうです。でも、逆にほとんど目が見えなくともクロスカントリーなら競技としてスキーを楽しめるってすごいことだと思います。

ブラインドボーリングは助走ゾーンに手すりを設置し、それを触りながら助走し、ボールを投げるそうです。僕が目を瞑ってボーリングしたら隣のレーンに投げてしまうんじゃないかと思いますが、ブラインドボーリングの選手はピンの倒れる音でどこに何本残っているかだいたい分かるようになってくるそうです。そして、残ったピンを手すりの位置関係から狙って投げてスペアを取るそうです。ちょっと信じ難いですが、すごいですよね。

今回、このイベントに参加した障害のある方々は何か自分にできるスポーツを求めて、きっと勇気を出して一歩踏み出し、参加したのではと思います。
そういう人たちの姿を見ると、『何かしたいのにする機会がない』なんて思って何もしていない自分は恥ずかしくなります。機会のせいにするのではなく、もっと自分から行動できるようにしなければと思いました。

視覚障害のある人たちに、競技だけに限らず、健常者と同じような、むしろ、それ以上の楽しみが持てるように、こういうことができますよ!というアドバイスをもっとできるように頑張って勉強したいと思います。

今回、このようなイベントに参加させてくださった、東京都障害者スポーツ協会の皆さま、国リハの清水先生、久留米大学の辻先生、新渡戸記念中野総合病院の山下先生、清水病院の水村先生、各競技団体の皆さま、そして、参加者の皆さま、貴重な経験をどうもありがとうございましたm(_ _)m
↑山下先生、水村先生、ありがとうございました!

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