院長ブログ

霰粒腫切開で皮膚は縫う?

今日は1日外来で、夕方に霰粒腫の切開が2件(4歳女の子、16歳女性)ありました。手術の申し込みは白内障7人と霰粒腫1人でした。

霰粒腫の切開でよく聞かれるのが、『切ったところは縫うんですか?』という質問です。答えは、『ほとんど縫わないですが、たまに縫うこともあります』です。縫った方がきれいになるなら縫うのですが、皮膚が赤く薄くなってしまうと、その部分の皮膚を残すことができず、縫わずに皮膚の再生を待った方がきれいに治ると考えています。無理に縫おうとすれば縫えますが、端にシワが寄ってしまうので、結果的に傷痕が目立ってしまうおそれがあるかと思います。あと、逆に小さな瘢痕のような小さな霰粒腫も縫合しにくく、縫合しなくともきれいになるので縫合していません。

今回の16歳の女の子はまぶたの深い位置にできた大きな霰粒腫で、皮膚表面の赤みは全くなく、皮膚を切開(切除することなく)し、霰粒腫を摘出したので、傷口の皮膚はきれいに合わせることができるので、3針ほど縫って終えました。

ちなみに、縫う場合は基本的に1週間後くらいに抜糸します。抜糸はチョキンと糸を切るだけで、1分くらいで終わる全然大したことのない処置です。でも、小さい子の場合、抜糸も一苦労なので、溶ける糸で縫いますが、うまく溶けずに残って抜糸が必要な時は、本来、短時間で痛みもない処置のため、鎮静剤は飲まずに処置をするので、霰粒腫の切開自体は全く泣かなかったのに、抜糸の時は怖がって大騒ぎになってしまうこともあります、、、(抜糸の時も鎮静を考える必要があるのかもしれません。)

傷口は縫うのがよい、縫わない方がよいということは一概に言えず、できた霰粒腫の状態とそれに合わせた皮膚の切開・切除の仕方により、縫った方がきれいになる場合は縫ますし、縫えないキズ、縫わない方がよいキズの場合は縫わずに処置を終えます。霰粒腫のでき方によって縫合するかどうかを適切に判断することが大切だと思っています。

↑16歳の女の子の霰粒腫でこういう感じだと縫合します。

↑こういう感じの霰粒腫は縫合しません。

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