院長ブログ

3/30(水) 今日のレンズ交換

今日の手術は白内障10件、眼内レンズ交換1件、眼瞼下垂が2人でした。

眼内レンズ交換は50歳の女性の方で、他院で両眼同日の白内障手術を受け、元々、強い近視だったところを単焦点レンズで遠方に合わせたところ、近くが見えなくて困ってしまい、今回、単焦点レンズでピントを少し近くに合わせる計画での手術になりました。

近視が強い人は、白内障の手術の後、裸眼で遠くが見えるようになることに憧れを抱く方も多く、実際、そうして喜んでくださる方がいる一方、『思った以上に近くが見えなくて』と近くが見えない不自由さや違和感に困ってしまう方も時々、いらっしゃいます。特に若い方でこのような不自由さや違和感が出てしまうことが多いように感じていますが、おそらく、調節力の消失により、急に完全な老眼になったような感覚も違和感の原因かと考えています。白内障があると、中々、遠方にピントが合う老眼の見え方のシミュレーションは難しく、予想できない部分ではあるのですが、それを防ぐためには、アイハンスやレンティスといった通常の単焦点レンズよりも焦点の幅のあるレンズの使用を考えたり、片眼ずつの手術で、先に手術した眼の見え方がイマイチであれば、もう片方のレンズで焦点に多少の差をつけることでカバーできることもあり、両眼を同日に手術をするのを避けることも必要かと思っています。

結果的に術後の見え方がよくなかった場合、時間で慣れてきたり、度数が多少変化して見え方が落ち着いてくることもあるので、すぐのすぐに何かしなければいけないことは全くないと思いますし、眼鏡やコンタクトレンズで調整ができれば、それでもよいという考えもあると思いますが、裸眼での見え方に困ってしまい、このままの見え方で生きていくのは辛いと感じれば、そのまま生きていくより、何らかの治療(再手術)をすることも決して悪い選択ではないと思っています。眼内レンズ交換は、その治療の選択肢の一つで、全てではないと思っていますが、レンズの種類や度数が問題の大元なのであれば、レンズを交換することができれば、一番基本というかシンプルな解決方法になるのかなと思っています。

でも、再手術はしないに越したことはありませんので、そうならないように手術方法とレンズの選択を慎重に考えていただければと思います。

↑美しが丘公園の桜がきれいでした!

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