院長ブログ

支持部切断レンズ交換

今日は午前が外来で午後は手術でした。手術は白内障6件、眼内レンズ交換、翼状片、眼瞼下垂、黄斑上膜の硝子体手術が1人ずつでした。

眼内レンズ交換は埼玉在住の70歳の男性で今年の1月に黄斑上膜と白内障の手術を埼玉の病院で受け、元々、強度近視だったため、レンズのピントを25cmに設定した方がよいと言われ、その通りにしたところ、ピントが近すぎてしまい、もう少し生活しやすい距離に合わせたいという希望でレンズの入れ換えを行いました。術後3ヶ月でそんなに時間は経っていませんでしたが、レンズの支え(ハプティクス)と水晶体の袋の癒着が強く、片方のハプティクスが外れなかったので、レンズの部分(オプティクス)から切断し、レンズを取り出しました。このような癒着したレンズを完全に(オプティクスも含めて)取り出すことが目的になってしまうと、水晶体嚢やチン小帯を損傷し、大変な手術になってしまうこともあるのですが、状況に応じて、適切な判断、処置を行うことで、レンズ交換は基本的に安全に行える手術だと思っています。また、硝子体手術後は水晶体嚢の奥の硝子体が無くなっているなので、ちょっとだけ難易度が上がりますが、これも慎重な操作を行うことでさほど問題無いかと考えています。

ちなみに、通常はハプティクスの癒着が外れないと、レンズを取り出せないと考えている先生もいらっしゃるので、そういう先生にとっては、『時間が経つと(1ヶ月過ぎると)レンズ交換はできません』とか『眼内レンズ交換はすごく難しく危険な手術』という風になってきてしまうのだと思います、、、(違っていたらごめんなさい)

レンズ交換についての文章が多くなってしまいますが、レンズ交換については情報が少ないので、白内障手術の後に困っている方に少しでも参考になればと思います。

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