院長ブログ

再発するまぶたの腫瘤

今日は午前が外来で午後は手術でした。今日の手術は、白内障10件、眼瞼下垂1人、霰粒腫6人(2歳男の子2人、3歳男の子、3歳女の子、5歳女の子、11歳女の子)でした。

先々週、下まぶたの腫瘍を切除した70代女性の方の検査の結果が返ってきましたが、基底細胞癌という悪性の判断でした。この方は他院で1年ほど前にしこりの切開を行なってもらったそうですが、再発して2度切開を行い、それでもまたできてしまったと当院へいらっしゃいました。良性の腫瘍でしっかり切除すれば、そうは再発しませんが、再発を繰り返すというエピソードから悪性が疑わしく、また、見るから腫瘤の表面に血管が拡張し、睫毛の脱落もあり、所見上も悪性が疑われたため、切開は診断をつける目的で行いました。

眼瞼の悪性腫瘍はあまり多くはない病気ですが、実はここ数ヶ月で3人で眼瞼悪性腫瘍(脂腺癌2人、基底細胞癌1人)の診断がついています。そして、共通するの3人とも当院へいらっしゃる1年くらい前に他院を受診し、霰粒腫や良性腫瘍などの診断を受けているということです。確かに判断が難しいケースもありますが、徐々に悪化、増大する腫瘍で特に高齢者の場合は悪性を考慮し、経過観察や必要に応じて病理検査を行うことはとても大切だと思います。

もし、まぶたにしこりができてどんどん大きくなってしまったり、一度、切開してもらったにもかかわらず短期間にまたできてしまったような場合はあまり放置せずにきちんと検査を受けることをお勧めします。

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