院長ブログ

遠視が強い人は

今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が2人(3歳男の子、27歳女性)でした。

手術の申し込みは、白内障2人と霰粒腫3人(3歳男の子、3歳女の子、6歳女の子)でした。

今日、白内障の手術の申し込みいただいた70代前半の男性は、矯正視力は1.2出る程度の白内障でした。しかし、裸眼視力は0.1程度で、しかも、元々、若い時は裸眼で遠くも近くもよく見えていたそうです。この方の眼は遠視という状態で、ピントが眼の網膜の表面からもっと奥(遠方)に結像してしまう作りになっていて、若い時は水晶体が柔らかく、ピントを合わせる力(調節力)が十分なうちは、遠方に行き過ぎた像をよい位置に持ってきたり、更に調節力を使うことでもっと近くも見ることができます。しかし、白内障が進んでくると、水晶体が濁り硬くなり、水晶体の厚さが変わらなくなってしまい、調節力が低下するため、近方、ついで遠方も見えにくくなってしまうのが、遠視の強い眼の特徴です。近視の人は老眼が進んでも、裸眼で近くは見えることは変わらないのですが、遠視が強いと、近くも遠くも眼鏡がないと見えなくなってしまう不便な眼になってしまいます。もちろん、ある程度、白内障が強くならなければ、眼鏡をすれば見えるものの、眼鏡をかけ慣れていない人も多く、眼鏡をかけること自体がストレスに感じる場合もあります。

白内障は矯正視力が下がってから手術を考える方が多いと思いますが、遠視が強い人は、そこまで白内障が強くなくとも、ある程度、白内障の濁りがあれば、水晶体を眼内レンズに換え、そのレンズで遠視を矯正してあげると、裸眼でピントが合う位置を作ることや、多焦点レンズで遠くも近くも若い頃に近いような見え方を手に入れることも可能なので、早めに手術してあげると生活を楽にすることができるかと思います。

もちろん、眼鏡で見えるからいいと考える人は白内障がだいぶ進んでからしてもよいですが、人生のうちの見え方の不自由な時間が少しでも短くして、より楽な見え方で過ごすことも考え方の一つかと思います。

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