院長ブログ

血液サラサラの薬

今日は午前が外来で午後は手術でした。

手術の申し込みは、白内障1人と眼内レンズ交換1人でした。
今日の手術は、白内障11件(アイステント併用1件)、眼瞼下垂2人、黄斑上膜の硝子体手術1件でした。

今日の眼瞼下垂の70代の男性は、脳梗塞を起こしかけた既往があるため、抗凝固薬、いわゆる血液をサラサラにする薬を内服していました。眼瞼下垂の手術はまぶたを切るため、出血が起こります。なので、抗凝固薬(や抗血小板薬)は内服を止められれば止めて手術をさせてもらった方が、出血が少なく楽ですし、術後も腫れが少ないので患者さまご本人も楽ですが、内服を止めて脳梗塞や心筋梗塞など命に関わることが起こってしまうことに比べれば、手術中の出血は大きな問題にはなりませんので、必要な方には内服を続けたまま手術をさせていただいています。念のため、血液をサラサラにする薬を飲んでいる程度なら止めてよいと思いますが、過去に虚血性の疾患を患った既往があるならば、内服は続けるべきと考えています。お腹など深部の手術では出血もまた重大な問題につながってしまうこともあるので、術前にヘパリン(短時間で効果が切れる点滴の薬)に変えて手術を行うこともありますが、まぶたの手術は基本的に表層の手術で出血が例えば視力の低下などの重大な合併症につながることはまずなく、抗凝固薬を飲んだままでも安全に手術することは十分可能だと思っています。繰り返しになりますが、術中の出血は多少多くなり、手術時間が長くなることや、術後のまぶたの腫れはかなり出てしまうことがありますので、これはご辛抱いただく必要があるかと思います。

ちなみに、白内障の手術では基本的に問題となる出血を起こす要素がないので、抗凝固薬は止めずに手術を行います。

まぶたの手術でも白内障の手術でも血液サラサラの薬を飲んでいる方は、手術ができるのか心配になってしまうと思いますが、基本的には心配しなくて大丈夫です。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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