院長ブログ

術後4年のレンズ交換

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障5人と霰粒腫2人(3歳女の子、5歳女の子)でした。
今日の手術は、白内障10件、眼内レンズ交換2件、霰粒腫4人(1歳男の子、5歳女の子、6歳女の子、31歳女性)でした。

今日の眼内レンズ交換は、75歳の女性と86歳の男性でお二人とも他院での白内障手術で入れた多焦点レンズから単焦点レンズへの入れ換えでした。

75歳の女性は、白内障手術の術後、見えにくさを自覚しレンズの入れ換えを希望し主治医に伝えたところ、『術後4か月も経っているからレンズの入れ換えはできません』と言われたそうです。その白内障の手術を受けたのが、2019年の2月ですので、今日でちょうど4年と4か月でしたが、確かに、一部、癒着が強い部分があり、レンズの支えの部分(ハプティクス)の切断が必要となったものの、問題なくレンズを取り出すことができました。この患者さまのレンズはSymfony(シンフォニー)でAMOというメーカーのレンズで、ハプティクスの付け根の部分にくびれがあり、このくびれのところで水晶体嚢の前と後で癒着が起こってしまうと、なかなか外すことができず、ハプティクスを引き抜こうとしても引っかかってしまい厄介ですが、レンズと水晶体嚢の癒着は比較的起こりにくく剥がしやすいので、時間が経っていても取り出せる可能性が十分あるレンズだと思っています。ちなみに、この患者さまは大阪からいらっしゃって『遠くから来たからレンズが取り出せないと困る』とおっしゃっていたそうですが(スタッフに)、手術はお近くの患者さまでも遠方からの患者さまでも全力で最善のことをすることに変わりはないと思いながらも、遠方の方はなかなかこまめに経過観察することもできないので、特に問題なく手術を終えることができてよかったです。

もう一人の86歳の男性は多焦点レンズがズレて入っていたための見えにくさで、レンズの支えの一つが水晶体嚢の外に出てしまっていたので、そちらはそもそも癒着がなく、もう一方の支えもすんなり外すことができ、水晶体嚢は前と後(前嚢と後嚢)が強くくっついてしまい、この癒着を外すのは困難ですし、単焦点レンズへの入れ換えなので、無理に剥がすこともなく、新たなレンズ(単焦点の3ピースレンズ)は前嚢の上に収める嚢外固定をしてきました。この方は僕が手術した眼内レンズの入れ換えの患者さまでは最高齢だと思います。お住まいも東京都下でちょっと遠くでしたが、無事、手術が終えられてよかったです。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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