院長ブログ

狭隅角症の治療の悩みどころ

今日は一日外来でした。

手術の申し込みは、白内障4人と霰粒腫 人(2歳女の子、4歳女の子、8歳男の子、15歳男の子、48歳女性、55歳女性)でした。

今日の外来では、60代の女性が『他の眼科を何軒か受診して、緑内障と言われたり、そうではないと言われたり、白内障ではないと言われたけれど、白内障の手術を勧められたり、意見が違うので困ってしまって』と来院されました。

この患者さまの状態としては、

・緑内障かどうか?視野検査で異常が全くなく、緑内障は大丈夫。
・白内障ではない?白内障はなくはないが、見え方には影響が出るほどの白内障はなし。
・白内障の手術を勧められたのは?隅角が狭めで、急に眼圧が上がってしまう緑内障発作を起こしやすそうな眼なので、その発作を防ぐ治療として、白内障の手術が有効なため。

というような説明をさせていただきましたが、この方の眼は、軽度の白内障と狭隅角症という状態で、治療をするなら白内障手術が望ましいと思われました。ただ、隅角がすごく狭くて、いつ緑内障発作が起こってもおかしくないというほどではなく、視力も困っていないそうで、数か月毎に様子を見て考えましょうということになりました。

狭隅角症の人は、多かれ少なかれ緑内障発作のリスクを持ちことになりますが、必ず起こすものでもないので、視力が良好なうちは治療に踏み切る判断が難しいかと思います。大事なのは、治療の必要性とそのままの危険性を十分理解した上で、納得して方針を選択することと、もし万が一、経過中に発作を起こしてしまったら、なるべく早めに受診することです。

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