院長ブログ

CE+CTR

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人、眼瞼下垂1人、下眼瞼脂肪切除1人、今日の手術は、白内障15件と硝子体出血の硝子体手術1件でした。

今日、白内障の手術を受けていただいた88歳の男性の患者さまは、水晶体の支え(チン小帯)が弱く、“カプセルエキスパンダー(CE)”という器具を使用しての手術になりました。超音波の器械で水晶体の濁りを砕いて吸引する際に、チン小帯に負担がかかりると、支えが外れてしまう“チン小帯断裂”という状態を起こしてしましますが、CEは水晶体を外側から支え補助してくれるので、チン小帯を守り、必ずという訳ではありませんが、水晶体嚢を温存することができます。水晶体嚢をうまく残すことが、通常の白内障手術で眼内レンズを入れることに不可欠ですし、残念ながら、水晶体嚢が最終的に残せなくとも、少しでも温存しながら、水晶体の処理ができれば、水晶体の落下や硝子体の脱出を防げ、大きな意味があります。もちろん、CEを使えば、その手間もかかり、この患者さまは手術の時間が20分と長くかかりましたが、きれいにレンズを入れて終えることができてよかったです。CEはレンズを入れる頃に取り出してしまうので、術後に水晶体嚢を内側から支えるとされるカプセルテンションリング(CTR)を入れて手術を終えました。CTRを入れてもチン小帯が外れてレンズがズレてしまう人はズレてしまうので、支える効果はそれほどないのかなと思っていますが、水晶体嚢の形状を安定させきれいに保ってくれる効果は有効だと思っているので、チン小帯が弱そうな方には、入れるようにしています。

今年も早速、CE+CTRにお世話になりましたが、 CEは恩師の谷口教授が開発した器具で、単純な構造でとても理に適った素晴らしい器具だなと使うたびに感じます。そして、いつも、もっと頑張ろうと身が引き締まる思いで使っています。頑張ります。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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