院長ブログ

Vivityのトーリックを待つか

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人で、今日の手術は、白内障13件、黄斑上膜の硝子体手術1件、眼内レンズ交換1件でした。

今日、外来に白内障手術のご相談にいらした30代半ばの男性の方は、左眼の前嚢下白内障という、前側の水晶体嚢の直下の濁りが強いタイプの白内障で、視力は0.3まで低下していました。この患者さまはVivityを使いたいというご希望でしたが、Vivityの問題点はレンズ度数の製作範囲が狭いことと、乱視用のレンズ(トーリックレンズ)がないことです。この患者さまは1.5D弱の角膜乱視があり、トーリックでなくともある程度の視力改善は得られそうでしたが、できれば、トーリックレンズを使いたいということで、今回、手術の予定を立てるのではなく、トーリックが出るのを待ちながら経過観察をさせていただくことになりました。
結構、白内障が進んでしまっているのに、何らかの理由で白内障手術を“待ちたい”とか“手術しないとダメですか?”と聞かれると、どうしても待てないことはないし、ダメなこともないものの、先にするとよくないこともあるので、ちょっと困ってしまうのですが、今日の患者さまは、『手術に支障のない範囲で待ちたいです』とおっしゃっていただき、手術を待つことのデメリットもご理解いただけ、僕としては説明もしやすく、一方的かもしれませんが、とても信頼できる患者さまだと感じ、よい治療ができると思えました。もちろん、本当の治療、手術はこれからですが、患者さまから信頼してもらえること、僕らが患者さまを信じられること、そういう信頼関係が治療の基本の大切なところだと僕は思っています。言葉で“信じています”と言うのは簡単かもしれませんが、実際はそんなに簡単なことではないとも思っています。本当のところで信じ、信じられる診療(信療?)ができるように頑張りたいと思います。

今のところ、いつからVivityのトーリックタイプが日本で使えるようになるか、メーカーからは具体的な情報はありませんが、海外ではすでに使われていますので、そう遠くない将来日本でも使えるようになると思います。早く使えるようになるといいなと思います。あと、強度近視の人でも使える弱い度数のレンズ(ローパワーレンズ)も使えるようになると、尚よいなと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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