院長ブログ

“今までいない”は本当か?

今日は学会参加のため、昨日の手術させいただいた方のみの外来でした。

昨日、眼内レンズ交換の手術をさせていただいた50歳の女性の方は、昨年11月に他院で入れた多焦点レンズのシナジーから単焦点レンズ(アイハンス)へ入れ換えました。入れ換えた理由は、車の運転が多く夜の光が辛いこと、暗いと一気に見えにくくなる、かすむということでした。視力は遠方1.2、中間1.0、近方0.8ととても良好な結果であったため、もったいない感じもしましたが、ご本人の見え方としてはよくなく、単焦点に入れ換え、近方をしっかり見えるようにしたいという希望が強く、その希望を叶えるには、確かにレンズを入れ換えることが唯一の方法と思われたので、手術を行うこととさせていただきました。

術翌日の今日は、矯正視力1.2、裸眼視力も中間1.0、近方0.9と良好で、『コントラストが違うのが分かります。手術してよかった。』と言ってくださり、こちらこそ、本当によかったと思いました。

この患者さまは茨城県にお住まいで、茨城の大きな病院の分院で手術を受けられたとのことでしたので、『そちらの病院では入れ換えの話はなかったのですか?』と聞いたところ、『そんな人は今までいない』と言われて、レンズの入れ換えはしてくれなかったそうです。『今までにこういう人はいました』というのは、簡単なのですが、『ない』というのは意外と難しく、この患者さまも通院していた病院を離れてしまい、それまで診てくださっていた先生の中では、多焦点レンズを入れた不具合で単焦点レンズに入れ換えるような人は“今までいない”が継続されていくのかなと思います。なので、“今までにない”とか“そんな人は誰もいない”というのは、あくまで、その人にとって“ない”だけで、必ずしも本当に“ない”訳ではないのかなと思いました。ちなみに、他院で白内障手術を受けた後の、レンズ入れ換えなどの治療については、余計なことかもしれませんが、前の先生に経過を報告するようにしています。どうなるか心配されている先生もいらっしゃると思いますし、結果がよくも悪くも、間接的にでも多少は経験や知識につながるのではと思っているからです。余計なことならすみません、、、

今日は外来がほぼ休診状態で、患者さまには迷惑おかけして、申し訳ありませんでしたが、お時間をいただいた分、皆さまに還元できるようしっかり勉強してきたいと思います。ご協力、ありがとうございましたm(_ _)m

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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