今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂3人、霰粒腫3人(6歳女の子、8歳男の子、11歳男の子)でした。
今日、レンズ交換の相談でいらした男性は、10年ほど前に他院で多焦点レンズを使った白内障の手術を受け、その後すぐ、後発白内障でYAGレーザーの後嚢切開、2年後に右眼の網膜剥離で硝子体手術を受けるという病歴があり、右眼の眼内レンズが濁って見えにくくなってしまったそうです。
この患者さんに入っている多焦点レンズは、Lentis M Plusという海外のレンズで、ガスに触れると混濁すると言われていて、ガスに触れたLentis M Plusは見たことがありませんでしたが、めちゃくちゃ濁っていました。
視力は0.8程度でしたが、コントラストがとても下がり、特にグレア下での見え方が悪いようで、視力の値以上に見えにくさがあるのではと思われました。
後発白内障のYAGレーザー治療がなされ、後嚢があいているので、入れ換えが若干しにくいですが、硝子体手術後なので、硝子体が出てくる心配が少ないことと、レンズは単焦点に入れ換えるのでよいということなので、嚢外固定も可能ですし、幸い、角膜乱視も少なく(嚢外固定で使う3ピースレンズは乱視矯正用のレンズがない)、十分、入れ換えは考えてもよいかと思いました。
ちなみに、左眼も硝子体混濁で硝子体手術はされているようですが、ガスは入れていないので、左眼のレンズの混濁は強くはありませんでした。なので、硝子体手術を受けただけでは大丈夫でしょうし、おそらく、後嚢が無い状態で直接ガスがレンズに触れるとよくないのかなと思いました。
レンティスはガスに触れると濁るとは聞いてはいたものの、実際、こんなに濁りが強いのかと驚きましたが、レンズの混濁が強く、見えにくさも辛いと感じているようなので、レンズの入れ換えをした方がよいかと思われました。すっきり見えてくれるように、しっかり入れ換えの手術をしたいと思います。