タウンニュース青葉区・都筑区・宮前区版で毎月連載させていただいている『目のお悩みQ&A』第24回目の今回は『まぶたのできものが中々よくならず困っています』というテーマで『霰粒腫』について書いてみました。
以下、タウンニュースの本文です。
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まぶたの縁にはマイボーム腺という脂を分泌する構造があります。この腺が詰まるとまぶたの中に脂が溜まり、炎症を起します。
最初はまぶたが腫れ、ものもらいのようになりますが、抗菌薬や抗炎症薬の点眼を使うと通常、炎症は治ります。しかし、溜まった脂が分解されると、肉芽腫といってドロっとした肉の塊のようなしこりがまぶたに残ってしまい、この状態が『霰粒腫(さんりゅうしゅ)』です。
霰粒腫は基本的に点眼や軟膏で治るものではなく、治すとなると切開が必要になります。ただ、霰粒腫があれば必ず切開しないといけないものでもなく、小さく目立たないものであれば、きれいに自然消退することもあります。しかし、しこりが大きかったり、まぶたの表面に出てきて赤くなったり、まぶたの縁にできたりすると、まぶたの形が変形してしまう場合や表面にひどい跡を残してしまう場合もあるため、切開による治療を考える必要があります。
切開は通常、まぶたへの注射の局所麻酔で10分程度の処置になりますが、小さな子にできることも多く、無麻酔や全身麻酔で行う施設もあります。当院では鎮静剤の内服と鼻から吸う笑気麻酔を使った上で局所麻酔をし切開しています(生後数カ月でも可能です)。まぶたのできものが治らなくてお困りの場合は切開を考えるとよいと思います。
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