院長ブログ

アルゼンチンフラッグ

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障4人、今日の手術は、白内障12件と眼瞼下垂2人でした。

今日の白内障の手術では水晶体が真っ白けになってしまっている成熟白内障の患者さまがいました。成熟白内障の手術は、通常の白内障より難しいとされますが、その理由は水晶体が真っ白になってしまうと、顕微鏡の光の眼底からの反射が得られず、水晶体の袋がとても見えにくく、水晶体の前面を丸く切開するCCCという操作がとてもしにくいということがあります。

この対策として、透明な水晶体嚢を青い薬剤で色をつけて見やすくしてCCCを行いますが、もう一つ、難しくなる要素として、成熟白内障の水晶体の濁りは水晶体嚢の中でボリュームが増して膨隆しているので、CCCの切開線が外側に流れやすく、丸くなりにくいということがあります。これを防ぐために、眼の中のスペースを保つ粘弾性物質という薬剤を通常よりも重いものを使うという工夫をして手術を行います。

今回もこういった対策を行なった上で手術を進めましたが、予想以上に水晶体の膨隆が強く、前嚢切開の線が急激に外に拡がってしまい、きれいなCCCを作ることができませんでした。ただ、CCCに切れ目が入ったものの、水晶体嚢の後面はきれいに残し、白内障の濁りを取り除き、目的のレンズをきちんと水晶体嚢の中に収めることができたので、なんとか手術としては無事終えられよかったです。

ちなみに、青く染まった水晶体嚢にCCCの切れ目が入ると、中央に成熟白内障の白い濁りが帯状に見え、青--青の3本ラインができるので、このよう状態はアルゼンチンフラッグと呼ばれます。次回はアルゼンチンではなく、きれいにCCCを作り、青地に白丸の国旗(こんな国旗の国、あるのでしょうか?)を目指して頑張りたいと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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