院長ブログ

タウンニュース2023年9月

タウンニュース青葉区・都筑区・宮前区版で毎月連載させていただいている『目のお悩みQA』第39回目の今回は『白内障手術で多焦点レンズが使えない人もいるのでしょうか?』というテーマで多焦点眼内レンズの非適応・注意点について書いてみました。

以下、タウンニュースの本文です。

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 白内障手術は濁った水晶体を取り除き、新たに人工の眼内レンズを入れる手術で、そのレンズの度数や種類を選択することでより見やすい見え方にすることも可能です。その眼内レンズの中でも多焦点レンズを使うと、遠方も近方も裸眼で見えるようにすることも十分できます。しかし、いくつかのマイナス面もあり、全ての人に使えるものでもありません。

 まずレンズ度数の製作範囲があり、強度の近視や遠視の人では適切な度数がない場合があります。ただ、自由診療の海外レンズでは度数がある場合や、術後に追加の治療を承知で使う方法もあります。一般的な回折型レンズではコントラストが下がるため、白内障以外の病気があると、十分な視力が出ないことや術前よりも視力が下がってしまうおそれもあります。また、回折型では、夜間の光が異常な見え方をするハロー・グレアが出るため、夜間の運転が多い人には向かないとされています。ただ、最近発売された「波面制御型」という新しい多焦点レンズは、近方の見え方が弱いものの、コントラストが下がることなく、ハロー・グレアも出ないため、今まで不適応とされた人にも使うことができる場合もあります。

 多焦点レンズはとても便利な良いレンズですが使えない場合や使わない方がよいこともあり、マイナス面も考え慎重に決めることが大切です。

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タウンニュースのコラムでは、眼に関する疑問についてお答えさせていただいております。気になる眼の症状から白内障やまぶた、硝子体の手術まで何でも構いませんので何かリクエストがございましたら教えてください。

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