院長ブログ

先天眼瞼下垂の手術をして

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人と眼内レンズ交換1人でした。今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫5人(1歳男の子、3歳女の子、7歳女の子2人)でした。

通常の眼瞼下垂、というと、何が通常のということになりますが、多くの眼瞼下垂は年齢の変化やハードコンタクトレンズの使用により、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)をまぶた(瞼板)に固定する腱膜(挙筋腱膜)が痛んでまぶたが挙がりにくくなっているため、この挙筋腱膜を縫縮めて眼瞼挙筋がしっかり働くように修復するような手術(挙筋腱膜前転法)を行っています。

今日の外来では、9月の初めに眼瞼下垂の手術を受けていただいた30代半ばの女性の患者さまの経過観察の診察がありました。この患者さまは、生まれた時からずっと左のまぶたが下がった状態で、生まれつきの眼瞼下垂の先天眼瞼下垂と思われました。先天眼瞼下垂では、腱膜の問題ではなく、眼瞼挙筋の機能が十分でないことがまぶたが挙がらない原因のため、いつもの挙筋腱膜前転ではよくならないので、皮膚の下で瞼板と眉毛の上の前頭筋肉をシートでつなぐ、前頭筋吊り上げ術という方法の手術を行いましたが、以前よりまぶたが開くようになり、ご本人も喜んでくださったのでよかったです。

この患者さまはお住まいが都内だったので、『なんでウチに来て手術を受けようと思ったのですか?』と聞いたところ、『大学病院やまぶた専門のクリニックなどいくつか受診して話を聞いたけれど、怖かったので手術を決められなくて』当院を受診してくださったそうです。おそらく、僕も同じような話をして、結果的に同じような手術をしたと思うので、僕のところで手術を受けても怖かったのではと思います。でも、怖さに負けないで手術を受けられたのは、患者さまがよくしたいと前向きな気持ちで頑張ってくれたからだと思います。今月いっぱいで故郷の沖縄に戻り、新たな生活を始めるそうで、今日が最後の診察になってしまいましたが、その前向きな気持ちできっとこれからよい人生を歩めるのではと思いました。遠方になりますが、これからも僕の患者さまだと思っていますので、何かあればいつでも連絡ください。そして、沖縄でも頑張ってください!

 

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