院長ブログ

硝子体術後の白内障進行

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼外反症1人、霰粒腫1人(5歳男の子)でした。

今日の外来では、他院で約1年前に右眼の黄斑上膜に対して硝子体手術を行い、その後、白内障が進んでしまった50代前半の女性の患者さまが相談にいらっしゃいました。元々、-8Dほどの強度近視の上、白内障が進行し近視の値が-16Dで矯正視力としても0.4まで低下していましたので、基本的には手術はした方がよく、問題となるのは、両眼の手術をするか、どんなレンズを使い、どこにピントを合わせるかというところでした。近視が強い場合、両眼を手術した方がバランスが取れ、術後の眼鏡を作りやすいメリットもあるのですが、この患者さまはコンタクトレンズを使っていましたので、手術しない方の眼はコンタクトで対応が可能と思われましたので、片眼のみの手術でよいかと思いました。

黄斑上膜の手術はとてもきれいにされていましたので、回折型の多焦点レンズの使用も十分可能かと思われましたが、ハローグレアが気になるとおっしゃられたので、多焦点だとVivityが候補になったものの、強度近視のため適切な度数がなく、単焦点でアイハンスを少し遠方を落として使うのがよいかと提案させていただきました。

前の眼科の先生からも白内障手術のお話しはあったそうですが、『レンズは好きなのにすればいい』と言われて、困ってしまったそうです。確かに、最終的には患者さまの希望のレンズを入れることになるので、その通りなのですが、そうは言われても、どう選んだらよいのかは迷ってしまうと思うので、ご本人の希望を伺いながら、どのようなレンズを使えば、その希望の見え方が達成できるか、その時でもマイナス面としては何があるかなどの説明をして、最終的に一番合ったレンズを選べるといいなと思っています。

ちなみに、若い年齢の方の硝子体手術で水晶体を温存するかは、元々、何の病気で手術をするのか、白内障や近視・乱視などの屈折の状態などを踏まえて決めることになりますが、50歳前後以降の方では、多かれ少なかれ、白内障が出ていますし、硝子体手術の後に白内障が進んですまうことも多く、また、水晶体を取った方が安全に硝子体手術を行えると思っているので、そのくらいの年齢の方は一緒に白内障手術をした方がよいかなと思っています(もちろん、絶対ということではないですが、、、)。

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