院長ブログ

マイボーム腺嚢胞

今日は午前は外来、午後は手術で、手術の申し込みは、白内障2人と眼瞼下垂1人で、今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫3人(2歳女の子、25歳女性、35歳女性)でした。

霰粒腫はまぶたの中に脂が溜まり、分解されて赤くドロっとした“肉芽腫”というしこりができる病気ですが、今日のまぶたにしこりができた25歳の女性の手術では、一応、霰粒腫の手術ということで行いましたが、まぶたの裏側からしこりのある部分の結膜に切開を入れると、白い半固形状の内容物が出てきました。このようなしこりは“マイボーム腺嚢胞”と呼ばれ、厳密には霰粒腫とは違う病気となります。あまり大きくはならず、見た目としてはほぼ分からず、まぶたを触るとコリっと硬めの小さなしこりとして存在することが多いかと思います。小さいからそのうちなくなるかなと思いながら様子を見ていても、結局、よくならないので(悪くもならないけれど)受診するという経過がほとんどでだと思います。霰粒腫と厳密には違うといっても、行う治療自体は特段変わりなく、切開になりますが、表面に成長してくることはあまりなく、結膜側からの切開がほとんどではないかと思います。霰粒腫は肉芽組織が周囲の組織を溶かして拡がっていくのですが、マイボーム腺嚢胞は白い歯磨き粉のような内容物が瞼板の被膜の中に留まるので、比較的きれいに取り出しやすいかと思います。ただ、また同じところに脂成分が溜まってしまうのか、再発も結構あるような気がします。あまり関係ないかもしれませんが、カプセルのようになっている瞼板の表面の組織もなるべく切除して、少しでも再発しないでくれるようにと思って手術を終えました。

今日も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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