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80代後半での緑内障手術

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人と硝子体出血の硝子体手術1人で、今日の手術は、白内障16件(アイステント1件)と緑内障手術(トラベクレクトミー)1件でした。

今日は88歳の方の緑内障手術(線維柱帯切除術)がありました。緑内障の手術は眼圧を下げるための手術で、見え方をよくするために行うものではなく、緑内障の進行を抑える目的で行います。緑内障の治療は眼圧を下げ、緑内障の進行を抑えることが基本になり、緑内障の患者さまの多くは点眼で眼圧を下げ治療を行っているかと思います。点眼も毎日しなければならず、副作用も出ることもありますし、手術で眼圧を下げられ、点眼をしなくてもよいなら手術を受けたいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、緑内障の手術はできるならしないに越したことはない手術だと思っています。緑内障の手術で基本となるのは“線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)”という術式ですが、この手術は強膜(眼の壁にあた眼の中の水(房水)を結膜の下に流れる道を作るので、結膜一枚ですぐ眼の中と繋がっている状態になるため、細菌が入りやすく感染症が起こりやすくなってしまいます。手術の後に眼の中に細菌が入って炎症を起こしてしまう“眼内炎”が起こる頻度は白内障では2000〜3000件に1件といわれていますが、緑内障の線維柱帯切除術では、およそ100件に1件といわれており、

かなり高い頻度と考えられます。また、緑内障の手術では、眼圧の変動もあり、眼に侵襲が加えられますので、手術を行うことで緑内障が進行してしまう可能性もあります。このように手術のマイナス面もそれなりにあるのが緑内障の手術です。ただ、点眼を何種類も使って眼圧を下げても緑内障が進行して、更に眼圧を下げないといけない場合や副作用など何らかの理由で点眼が使えないような場合には、緑内障の手術をしなければならない場面もあります。また、緑内障の治療を考える上では、年齢も考慮する必要があり、視野の悪化のスピードと寿命を照らし合わせ、若い人で視野がどんどん悪化してしまうなら、少し早めに積極的な治療(手術)を考えなければなりませんし、高齢の方では残りの人生で視野がある程度残せそうであれば、そこまで厳格な治療をすることもないと考えられます。

今日、緑内障の手術をさせていただいた方は88歳でしたが、当院を初めて受診された今年の春頃は、視力が0.4程度ありましたが、眼圧が30台と高く点眼でなんとか緑内障の進行を抑えていければと思っていました。しかし、なかなか眼圧が下がらず、点眼によるアレルギー症状の副作用も強く、視力も手動弁まで低下してしまい、このままでは近いうちに失明の可能性が高く、ご本人も少しでも視力を残したいというご希望もあり、お身体もまだまだお元気なので、高齢ではありましたが、手術をさせていただきました。できれば手術しなくて済めばと思っていたため、タイミングとしては、ちょっと遅くなってしまった感もありましたが、高齢でも元気な方だったので、もっと早めに手術すべきだったかもしれません。でも、眼圧が下がり少しでも視野が残せればと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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