院長ブログ

『結膜炎』てうつるの?

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この時期、気をつけなければならない眼の病気に『はやり目』があります。

目が赤い、目やにが出るという症状で受診される患者さま(とご家族の方)に『結膜炎ですね』とお伝えすると、『うつりますよね?』と聞かれることが多いです。『結膜炎=うつる』というイメージがあるかもしれませんが、全ての結膜炎が『うつる=感染性のある』結膜炎という訳ではありません。

結膜炎というのは結膜という目の表面の白目の部分に充血(血管の拡張)が見られ、炎症が起こっている状態です。
そして、結膜炎は起こす原因により、大きく分けて、①細菌(ばい菌)による細菌性結膜炎、②アレルギー反応によるアレルギー性結膜炎、③ウイルスによるウイルス性結膜炎(ウイルスの種類によりアデノウイルスによる流行性角結膜炎や咽頭結膜熱、エンテロウイルスによる急性出血性結膜炎)があります。

この中で細菌やアレルギーによる結膜炎は大丈夫ですが、ウイルスが原因の場合は周りの人にうつりやすい感染性のある結膜炎=『はやり目』になります。

その見分けは症状、経過、所見からある程度、推測がつきますが、鑑別が難しい場合は、ウイルス性結膜炎の検査を行い、綿棒で目やにを採取して、検査キットで調べます。
この検査で陽性(『ウイルスがいました』という結果)が出れば、ほぼ100%ウイルス性結膜炎になります。しかし、感度(ウイルスをみつけられる確率)は100%ではないので(およそ70%程度)、陰性(『ウイルスはみつかりませんでした』という結果)が出ても、『ウイルス性結膜炎ではありません』とは言い切れず、症状と所見と合わせて『大丈夫そうです』と言ったり『検査は陰性ですが、怪しいのではやり目と考えて過ごした方がよいと思います』とお話ししています。
細菌性、アレルギー性の場合は、人にうつらないのでよいのですが、ウイルス性の結膜炎は感染力が強いため、学校保健法で出席停止が義務づけられています。
大人の方のお仕事の場合、法律で決まっているものではありませんが、公共交通機関を使っての通勤やお勤め先で他の方にうつしてしまう可能性がありますので、基本的にはお休みいただくべきかと思います。

はやり目はウイルスのタイプにもよりますが、通常は発症から1週間くらいかけて徐々に悪化し、1週間くらいかけて改善していくという経過で、感染性のなくなるといわれる充血がなくなる時期までは10日前後かかることが多いです。
学校や仕事にしばらく行けないのはお辛いと思いますが、学校や職場ではやり目が流行ってしまうと大変ですので、ご辛抱いただければと思います。

はやり目の治療ですが、通常は抗菌薬と抗炎症薬を使います。
抗菌薬は抗『菌』薬で『細菌』に対する薬ですので、抗『ウイルス』薬を使わないの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その通りで、本来、ウイルスをやっつける目薬が『あれば』それを使うべきです。しかし、残念ながら、現状で、はやりめのウイルスを攻撃する目薬はないため、対症的に(少しでも症状を抑えるために)抗炎症薬と二次感染(更に細菌が感染するの)を予防するために抗菌薬を使います。

はやり目の患者さまから『目薬を使っているのに良くならない、、、』と言われることがありますが、残念ながら根本的にウイルスをいなくさせる目薬はないのです(申し訳ありません)。基本的にウイルスを排除するにはご自分の免疫力が重要となりますので、しっかり栄養と休息を取るのが大切かと思います。
基本はウイルスがいなくなるのを待つしかないのですが、経過で注意が必要な場合もあります。
それは、炎症が強いと角膜の濁りを残してしまうことがあるので、必要に応じて強いステロイドの抗炎症薬を使った方がよいのと、まぶたの裏側に偽膜という硬い膜ができて角膜に大きなキズを作ってしまうことがあり、その膜を取らないといけない時があります。
はやり目になると目薬を処方され、しばらく様子を見てくださいと言われることが多いと思いますが、痛みが強い場合は遠慮なく再診していただくことも重要と思います。
結膜炎といっても全ての結膜炎がうつる訳ではないので、必要以上に心配することはありませんが、うつらないと思われた結膜炎の中にもはやり目が潜んでいる可能性もあります。ですので、充血のある(目が赤い)うちは手洗いはしっかりされた方が安心かと思います。(はやり目と言われた方は手洗いをしっかりし、タオルなどはご家族と区別し、お風呂は一番後に入るようにしてください)

この時期、お子さんがプールで感染し、ご家族に蔓延、、、という大変なご家族もいらっしゃいますので、どうぞご注意し、よい夏休みをお過ごしください!

はやり目の患者さまの目の写真

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